今回ご紹介する栄養素は「ビタミンA」。
「カロテン」とは、
深〜い関係がある栄養素です。
Q&Aで再確認! ビタミンAについて
Q.ビタミンAは体の中でどのような役割を果たしている栄養素ですか。
主に動物性食品に含まれているビタミンで、
別名レチノールとも呼ばれます。
吸収された後、体内で
レチナール・レチノイン酸といった活性型に代謝されることで
様々な作用に関与しています。
●レチノール は肝臓に貯蔵すること以外に皮膚の正常化や生殖・成長に
●レチナール は視覚の正常化に
●レチノイン酸 は皮膚の正常化・成長促進に
それぞれ関与しています。
こうして皮膚や粘膜の正常保持によって感染症を予防したり、視覚の正常化や発育促進をしたりと体内での重要な役割を担っています。
また、1996年の総合学術雑誌「Nature」には、レチノイン酸が『日焼けが原因で起こる「小じわ」を防御する』という論文が発表されています。
ただし!
だからといって「レチノイン酸を含む完璧なクリーム」なんて甘いお言葉通りの恩恵があるかどうかは、賢明な読者の皆さんであれば、きっとお分かりになりますよね!
Q.ビタミンAは脂溶性ビタミンですが、脂溶性ビタミンとはどのような特徴があるのですか。
そのものズバリ!
水には溶けず、油に溶けやすいビタミンです。
体内では、脂溶性ゆえに生体膜を通過することができます。
それにより、遺伝子への働きかけなどホルモンのような作用をするため、ビタミンながら「ホルモングループ」と考えられることもあります。
また、脂溶性のためビタミンAは体内に留めることができます。そのため、過剰症になると言われていますが、食材に含まれる量とは比較にならない程多量に摂取することが前提のお話です。
Q.ビタミンAを過剰摂取するとどうなりますか?
ビタミンAを急激に過剰摂取すると、ビタミンA過剰症が現れます。
主な症状は、吐き気・頭痛・めまい・目のかすみなどです。
長期摂取によるビタミンAの毒性としては、1日の上限量以上のビタミンAを数カ月または数年もの間継続して摂取した場合、症状が出るとされた報告があります。
主な症状は、中枢神経系への影響・肝臓の異常などです。
ヒトでは妊婦が過剰摂取すると胎児に影響を与える可能性が高くなると報告されているようですが、レバーなどビタミンAを多く含む食材を多めに食べるといった程度では心配する必要はありません。
Q.ビタミンAが不足するとどうなりますか?
視覚障害が現れると言われています。
弱い光を感じなくなって夜盲症になる、
目の角膜や粘膜に影響が出て悪化すると失明するともされています。
また、皮膚や粘膜の乾燥、成長障害などを引き起こすともされ、
粘膜や皮膚の上皮細胞が剥離しやすくなることで尿結石や皮膚炎の一因になることもあるようです。
Q.ビタミンAの栄養表示でよく「レチノール当量」という言葉を見かけますが、どういう意味ですか。
ビタミンAの量を表す単位です。「RE」でも表されます。
ビタミンAは
①動物性食品からの摂取
と、もう一つ、
②植物性食品からカロテノイドとして摂取されてレチノールへと変化
するため、
ビタミンA総量=①と②を足したレチノールの総量
が基準になります。
以前は
「レチノール」「カロテン」といった、単体での表示以外に
「ビタミンA効力(国際単位:IU)」が表示されていましたが、
現在ではこの「レチノール当量」を表示する傾向にあります。
◇◆ レチノール当量算出式 ◆◇
レチノールと1/12β-カロテン当量を合計する計算式で算出されます。
レチノール当量 1μg=3.33 IU、1 IU=0.3μg レチノール当量の関係であり、
レチノール当量の結果×3.33で IU値に換算できます。
Q.ペットへの効果的な与え方は?
油脂と一緒に摂ると吸収率がアップしますので、野菜炒めなどがお薦めです。
ちょっと趣向を変えて、具材たっぷりチャーハンにチャレンジ!
してみるのも良いかもしれませんね♪
(文章:こばやし裕子上級指導士)
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