当院にはこの手の診療が沢山やってきます。
結論から申し上げましょう。
大抵、胃ではなく、すい臓に何らかの問題を抱えていることが多いです。
人では、すい臓に何らかの問題を抱えると、胃もたれの症状が出ることが多く、
胃薬を飲んだりしてしまいますが、実は原因は胃では無かった…ということが少なくありません。
すい臓に問題がある場合の解決策は、食べることではなく、食べないで休ませる、つまり食べないことです。
しかしなぜかちまたには、「朝胃液を吐く=こまめに食べさせる」
という情報が多く、それを実践した結果、返ってこじれることが少なくありません。
当院には、「朝胃液を吐く=こまめに食べさせる」を常識と思ってこられる方が多く、「食べないなんてことは怖くて出来ない」とおっしゃるのですが、強権発動でやっていただくことにしています(笑)。
そうすると、当然のことながら一週間ぐらいは吐くのですが、それは原因があるから吐くのであり、原因を取り除かずして吐かないように帳尻を合わせるのはナンセンスだと考えています。
そして、同時にすい臓にある問題の原因を取り除きつつ、10日ほど経った頃から、不思議と吐かなくなるのです。
この様に、獣医師ですら「常識」と考えていることにも、「勘違い」や「例外」があります。
食事の世界もまだまだわからないことだらけです。安易に決めつけたりせず、飼い主の不安を煽ったりせず、正確に情報を伝えたいものです。