最近、セミナーや診療を通じて、
多くの方と接するのですが、受講後の感想文によく書かれているのが、
「最初から最後まで、面白かったです。」「普段だと眠くなるはずの内容なのに、
最後まで起きていられたのは、先生の話術のおかげです。」
「APNAは、文章作成術やトークスキルを栄養学を通じて学べると伺いましたが、
『知識だけではダメなんだ』ということを、今回よくわかりました。」
という、エンターテイメント的側面に対する感想が多い中(笑)、
次の様なコメントをお寄せいただきました。
「今まで、自分なりに勉強してきたつもりでしたが、
狭い範囲で偏った情報を繰り返し反芻していただけだったと反省しております。
『自分なり』の基準を高めなければと思いました。」
「いかに世の中には『間違った情報』が多いかが解りました。
これからは、清濁併せ呑むの精神で、広い視野での勉強を心がけたいと思います。」
といった、内容です。
参加者の視野が広がるお手伝いをするのは、
やり甲斐のあることですが、
参加者がご自身の過去を完全否定したりすることを私は望んではおりません
(そういうおつもりはないと思いますが)。
というのも、私は「絶対的に正しいもの」も、
「絶対的に間違っているもの」もなく、
条件付けでどちらも正しいと解釈するのが、適切だと思っているからです。
ですから、『間違った内容』があるのではなく、
『うちの子』の『今』の状態には『適合する内容』と『適合しない内容』があるということです。
うちの子に合わないだけで、
他の子には適合するかもしれませんし、逆もありうるということです。
『●●でなければなりません』という情報は、
気をつけて接する必要があるということです。
私が飼い主さんにアドバイスするときには、
0)まずは、ココからはじめましょう!
1)そして、この段階まで来たら、次にこれを!
2)次の段階ではあれを!
3)その段階では例のヤツを!という風に、アドバイス内容を変えます。
と申しますのも、世の中には、
「どんな人でもこうしたら泳げる!」という「魔法の様な方法」はありませんし、
ある程度泳げる人と、全く泳げない人とではアドバイスが変わる様に、
本当は、その時の状態でアドバイス内容は変わるのです。
とかく、「●●には▲▲」という、安易な方法を求めたくなりますし、
世の中の情報もその様な表現の仕方になりがちですが、
万能の解答など無いと解ると、あきらめも付くし、スッキリすると思います。
あの、ファーストフードやファミレスのバイト教育でも、
●まずはマニュアルで「ある程度」まで引き上げる
●そこを過ぎたら、会社の方針に沿って個別に対応
という流れになります。
それと同様に、ペットの食事に関しても、
●全体的にはこの方向で!
●個別のケースではこう!
というスタンスが『正解』であって、
どの場合にも合う「マスター・キー』を探すのは、
方向性としては労多くして功少なしだと思います。
で、タイトルの「間違った情報」の見分け方ですが、
飼い主さんの悩みを増やす情報
が「間違った情報」と言えるでしょう。
でも正確に申し上げると、
それは、間違っているというより、
何か情報が不足していると考えた方がいいのかもしれません。
そして、大切なことは、「清濁併せ呑む学習」を常日頃しており、
相手の立場を踏まえて適切に解答できる方に質問していただくのが一番です。
そして、「両方の立場」を理解した上で、
今、あなたに必要な情報が、「一般的な情報」でいいのか、
「個別の情報」が必要なのかをご判断いただきたいと思います。
間違った情報をつかまされてしまって、それで悩み事が増え、
不安を抱えたまま毎日を過ごすくらいなら、しっかりと「適切な情報収集」することをおすすめします。