病気食事

ちょっとした食材の変化で
下痢する理由と対処について

 

ときどき、食材ひとつ変えると下痢をするから、
何かあったら動物病院に連れて行こうとドキドキしています!
 
という飼い主さんがいらっしゃいます。
 
これは、どう考えたら良いのでしょうか?
普段からちゃんと準備していると間違った対応をせずに済みます。
 
普通は、「下痢をしない食材を探す」ということをやってしまうと思いますが、
それは本質的な解決にはなりません。
 
この場合は、「食材が変わった程度で、腸内環境が変わってしまう現在の腸内状態を改善すること」が最優先課題であり、
食材を変えて下痢をすることは、食材の問題では無く、腸内環境がまだ安定していない・異物が多いと考えます。
 
ですから、落ち着いたかどうかをあえて食材を変えて確認するのです。
 
確かに部屋は汚れるかもしれませんが、
本質的な解決を望むなら、そうする必要があります。
 
しかし、多くの飼い主さんの焦点が「下痢を止めること」にあるため、
優先順位を間違うんですね。


 
身体の仕組みをあまりわからずに、原因を腸内に残したままで、
下痢を止める方が多いため、
結局、薬を使ったら症状が落ち着いたので「様子をみます」という、
一番やってはいけないことをやってしまい、
しばらくしてからまた再発してまた止めてを繰り返し、こじれた子が連れてこられます。
 
そうなってはじめて、「こんなことになるとは!」
「メルマガで言われてわかっていたのですが…」とおっしゃる方がほとんどです。
 
同じ様なことを定期的にお伝えしているつもりですが、
改善しやすいうちに行動するのではなく、
こじれてからお越しになるので、改善まで時間がかかるわけですが、
そうなってから「大変なんです、急いで下さい!」と言われます。
 
お気持ちはわかりますが、当院は完全予約制なので、
必ずしもお受けできるかどうかはわかりません。
 
ですので、もしそんな場合は、
薬で症状を止めて、状態を落ち着かせてから、原因除去に取り組まれて下さい。
 
繰り返しますが、食材を変えると下痢をする場合は、
アレルギーではなく、必ず何か腸内に改善すべき問題があるとお考え下さい。


 
この様に、一般的に言われていることが現実は必ずしも正しいとは限りません。
 
何かが起こったとき、焦ると判断を間違って、
本質的ではないことに時間と労力を使いかねません。
 
そんなことにならない様、
何でもないうちから「正しいこと」「本質的なこと」を学んでおいてくださいね。

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